選手の練習や試合中にリアルタイムで検査を行う「外来診療室」、選手を補助しその能力を高める「ガソリンスタンド」、「運動の処方箋」を出し選手のリラックス効果を高める「リゾート村」――北京冬季五輪の開幕まで残すところ1年余りとなるなか、記者は「北国春城」と呼ばれる吉林省長春市にある東北師範大学冬季競技実験室を訪れ、ウインタースポーツを支えるテクノロジーの手段を探った。新華社が伝えた。
そこではある選手が身体機能テストを行っていた。被験者は携帯型心肺機能測定器を身に着け、特定出力のエアロバイクに乗っていた。スタッフはディスプレイに表示されたデータにより、その最大酸素摂取量、血中乳酸濃度、ワット数などの指標を把握することができた。
東北師範大学冬季競技実験室の責任者である劉俊一氏によると、実験室は2015年に設立された。実験エリアは6カ所、各種実験室は24室、実験装置・設備は500台以上。すでに全国1000人以上の選手に体質評価、技能評価、技術分析、リハビリ・回復などのサービスを提供している。実験室は現在、「冬季競技選手特定能力特徴と科学的人材選抜重要技術」など3件の科学技術冬季五輪重点研究開発プロジェクトを展開している。
実験室にはさらに多くの似たような設備と訓練システムがある。劉氏は「ここにはアルペンスキーやスノーボードの練習を補助するシミュレーターがある。これは動的ランニング訓練システムで、冬季競技選手に向け開発した神経筋肉リハビリ訓練システムだ」と一つずつ紹介してくれた。
実験室は分かりやすく、選手たちの「外来診療室」「ガソリンスタンド」「リゾート村」と例えられている。
「外来診療室」は選手の技術・戦術や競技コンディションをチェックする。データの評価により、競技水準や身体能力の状況を把握する。「ガソリンスタンド」は訓練補助方法を提供すると同時に、選手の体力強化に向けた準備期間を与え、競技のパフォーマンスを高める。「リゾート村」は主にリラックスし、コンディションを整える場を提供し、次の戦いに備えさせる。
実験室はすでにハーフパイプのスピードスケート陸上特定シミュレーターとスノーボードパラレル大回転陸上訓練補助システムを設計・開発している。現在は抵抗の少ない新型ブレードとヘルメットを研究中だ。劉氏は「新たな成果は選手の成績を上げ、中国のハイテクウインタースポーツグッズの研究開発に新しい発想、新しい材料、新しいプランを提供するだろう。実験室はさらに北京冬季五輪のスピードスケート、ショートトラック、クロスカントリースキー、フリースタイルスキーのジャンプ台、スロープスタイル、スノーボードパラレル大回転などのナショナルチームと合宿チームに科学研究サービスを提供している」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年1月27日