商工中金の不正を巡る対応
国の制度融資で不正を繰り返し、隠蔽(いんぺい)もしていた政府系の商工組合中央金庫(商工中金、社長=安達健祐・元経済産業事務次官)が9日、業務改善計画を経済産業省などに提出した。全ての制度融資案件を9月末までに自主調査し、さらなる不正がないか検証する。問題の全容を解明したうえで、役職員の追加処分も検討されることになる。
商工中金、改善計画を提出 不正融資、9月末までに調査
9日午後、安達社長が経産省の中小企業庁を訪れ、宮本聡長官に計画を提出した。その後、安達社長は記者団に「全容を解明して抜本的な再発防止策を策定する。全力で取り組む」と述べた。
商工中金は、災害や景気悪化で業績が厳しい企業への国の制度融資「危機対応業務」で実績を上げるため、対象外の取引先の書類を改ざん。利子補給金を不正に受け取り、低利で貸した。不正は昨秋発覚し、第三者委員会が融資約22万件のうち2・8万件を調査。760件、約414億円分の不正が見つかった。
改善計画では残る19・2万件も9月末までに調査するとした。外部の弁護士や会計士ら約110人を含む700人超で調べる。商工中金はすでに安達社長らの減給などの処分を決めているが、調査結果を受けて追加処分も検討する。自身の進退について問われた安達社長は「全容を解明した上で再発防止策を作成して講じる。それが私の責任だと思っている」と述べるにとどめた。
商工中金では制度融資の実績を…