政府系金融機関の商工組合中央金庫(商工中金)は9日、国の制度融資で不正を繰り返し、隠蔽(いんぺい)した問題について、再発防止策をまとめた業務改善計画を経済産業省などに提出する。全容解明に向けた工程も示す。経産省はチェック体制が十分だったか検証する方針だ。
商工中金の不正融資414億円 本部も隠蔽関与
商工中金は、災害や景気悪化で業績が厳しい企業に国が低利融資する「危機対応業務」で実績を上げるため、基準を満たさない取引先の資料を改ざん。国から利子補給金を不正に受け取っていた。昨秋問題が発覚し、5月に経産省などから政府系金融機関として初の業務改善命令を受け、9日までの改善計画提出を求められていた。
計画では、制度融資の実績を伸ばすために支店に課した事実上の「ノルマ」の廃止や、不正をチェックする専門部署の設置、社外取締役や監査役に企業倫理に詳しい大学教授らを加えることなどが盛り込まれる。
不正の全容を調べる態勢や今後…