反政権デモの現場で、警察の特殊部隊に身柄を拘束される若者=12日、モスクワ、駒木明義撮影
ロシア各地で12日、政府高官らの汚職を批判するデモが開かれた。モスクワでは、老朽化した住宅の建て替え計画への反対派も呼応し、少なくとも数千人が参加したとみられる。プーチン大統領の支持率は8割を超えているが、政府高官や行政当局への不信感は根強いことが浮き彫りとなった。
極東のウラジオストクでは中心部の広場に300人以上が集まり、「プーチンは泥棒」「政権交代が必要だ」など政府の汚職体質を批判して市内を行進した。
ただ集会は当局が許可せず、主催者が同日朝に拘束されたほか、プラカードを掲げた人など約10人も警察に捕まった。政権支持派との小競り合いで負傷し、流血する人も出た。
参加した建設業のアレクサンドルさん(39)は「ロシアは豊富な資源があるのに政権幹部らが懐に入れるので、給料が上がらない。プーチン大統領はやめるべきだ」と話した。
モスクワでは、デモの呼びかけ人でプーチン政権を厳しく批判し、政府高官の蓄財やぜいたくを暴露してきた野党指導者のナバリヌイ氏が自宅を出たところで警察に拘束された。ナバリヌイ氏は前日、許可された市内北部の大通りではなく、市の中心部で無認可行進を行うよう呼びかけていた。市中心部は警官隊が多数配備され、ものものしい雰囲気につつまれた。
周辺には数千人が集まった。ナバリヌイ氏のTシャツを着た若者や、欧州連合(EU)の旗を掲げた若者が次々に警官隊に取り押さえられた。独立系メディアによると、600人以上が身柄を拘束された。
ナバリヌイ氏は3月初め、メド…