岩手大会 盛岡南―盛岡大付 得点が入ってベンチで盛り上がる盛岡大付の選手たち
「第1シードは甲子園に行けない」「3年連続出場はない」――。高校野球には地方によって、こういった「ジンクス」がある。
花巻東主将「自分の力不足」 盛岡中央の本塁打重く敗退
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12日に選抜8強の盛岡大付や、花巻東、一関学院などが3回戦に登場した岩手大会にもジンクスがある。
「隔年出場の法則」だ。
岩手から2年連続出場したのは、2003、04年の盛岡大付が最後。05年以降は奇数年が花巻東、偶数年は専大北上、盛岡大付と一関学院が出場しており、11年以降は花巻東と盛岡大付が交互に甲子園への切符を手にしている。
「岩手のジンクスって言われるんですけど、それは先輩たちのこと。自分たちにとっては夏はこの1回だけ。優勝に向かってどんよくにやって、結果的に覆せればいい」。そう話すのは2年連続出場を目指す盛岡大付の主将、比嘉だ。
秋、春の県大会を制し、夏も優勝候補の筆頭に挙げられる。それがかえって、「やりにくさ」につながると関口監督は言う。「例えば春に負けると、その悔しい思いをバネにしてやろうという気持ちでできるんですけど、今の代は負ける怖さを知らないので」
だから、初戦の前に、あえて先輩たちが負けて涙を流す映像を選手たちに見せた。13年夏の岩手大会決勝で花巻東に負けた時のものだ。「あの代も秋優勝で選抜にも出て、春も優勝したのに、夏は負けた。負けたらこんなに悔しいんだぞというのを選手たちに伝えたかった」
優勝候補と対戦するチームは、なりふり構わず向かってくる。この日、盛岡大付と対戦した盛岡南も、打者によって守備位置を極端に右に寄せたり左に寄せたりしてきた。それを跳ね返して13―3で勝利した後、比嘉は言った。「相手は何かしらやってくる。気にしすぎて自分たちの野球を崩さないことが大事になる」
もちろん、ジンクスはいずれは破られる。この日、2年ぶりの出場を狙っていた花巻東が盛岡中央に0―1で敗れ、「奇数年=花巻東」の法則は消えた。
この日の3回戦を勝ち上がったチームは、あと4勝で甲子園。盛岡大付が「隔年」のジンクスを破って連続出場を果たすか。それとも、ライバルたちが意地を見せるか。注目だ。(山口史朗)