通行止めになった国道127号=28日午前10時46分、千葉県富津市、村井隼人撮影
前線を伴った低気圧が日本列島を通過している影響で、28日朝、神奈川県と千葉県を中心に激しい雨が降った。道路の冠水や崖崩れが相次ぎ、通行止めや列車の運休などの影響が出た。大雨のピークは過ぎたが、気象庁は土砂災害などへの注意を呼びかけている。
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気象庁によると、神奈川県三浦市で午前5時40分までの1時間に、同市では観測史上最大となる87ミリの降水量を観測。千葉県の富津市やいすみ市付近などでも、1時間に約100ミリの雨が降ったとみられる。
三浦市では午前5時半ごろ、大雨の影響で道路が冠水。乗用車4台が水につかって立ち往生した。横浜市は同日午前、西区と保土ケ谷区の計8世帯15人に避難勧告を出した。同市内の川では人が流されたとの情報もある。
千葉県危機管理課によると、午前11時現在、富津市竹岡の国道127号など県内の国道計5カ所、県道計13カ所が土砂崩れなどのため通行止めになった。いすみ市は古沢・太東・千町地区の481世帯1384人、浪花地区の264世帯485人に避難指示を出した。八千代市や木更津市の市道も路面の冠水のため全面通行止めとなった。県水防本部は、鴨川市貝渚(かいすか)の水位観測所で、加茂川が氾濫(はんらん)危険水位に達したと発表した。
通勤や通学時間帯の交通機関にも影響が出た。JR東日本によると、28日午後1時の時点で、内房線と外房線の特急列車計15本の運休や部分運休を決めた。静岡県内の伊豆急行線は始発から全線(伊東―伊豆急下田間)で運転を見合わせたが、正午すぎから順次運転を再開した。