釜山国際映画祭の開幕式で、ファンに手を振る有村架純さん(左)と行定勲監督(12日、韓国・釜山、東亜日報提供)
アジア最大級といわれる釜山国際映画祭が12日、韓国の釜山で開幕した。今年は世界75カ国298本の映画が上映され、うち日本映画が過去最多の41本。日本の著名な俳優や監督たちが続々と現地入りした。一方、今月下旬に始まる東京国際映画祭で上映される韓国映画は過去最少の1本に減った。スクリーンを通じた日韓交流はアンバランスな状況になっている。
同日夜の開幕式には、韓国でもよく知られる俳優の中山美穂さんや有村架純さん、映画監督の河瀬直美さんらが次々にレッドカーペットに登場し、大きな拍手を浴びた。審査委員長を務める米ハリウッドの巨匠、オリバー・ストーン監督も参加した。
今年で22回目となる釜山国際映画祭は、ほぼ同時期にある東京国際映画祭より11年後発だが、ここ数年の来場者は東京を上回ったこともある。「プレミア」と呼ばれる新作が次々と披露され、アジア映画が幅広く紹介される場として、世界の映画人の注目を集めている。
その釜山で上映作品のうち7分の1を日本映画が占めるのは異例だ。是枝裕和監督の「三度目の殺人」、行定勲監督の「ナラタージュ」などの新作が招待作品として次々と上映されるほか、韓国の映画界に強い影響を与え、今年2月に亡くなった鈴木清順監督の作品の特集上映もある。
映画祭の上映作品はおもに製作者側から申請を受け付け、審査で決められる。関係者は「日本映画が増えたのは、新作を釜山に持ち込んでアピールしたいという日本側の強い熱意と、日本映画に熱い視線を注ぐ韓国側との二つの思いが合わさった結果だ」と話す。
韓国では昨年、新海誠監督の「君の名は。」がヒットするなど日本映画への関心が高まっているほか、日本旅行がブームになっている。今年になって韓国から訪日した人の数は、過去最高だった昨年の509万人を大幅に上回り、700万人に届く勢い。韓国政府関係者は「一般の韓国人は歴史問題をめぐる対立と、日本文化を楽しむことは別物だと考えている」と話す。
一方、10月25日に東京・六…