練習を公開したエンダム=東京都新宿区
22日に東京・両国国技館である世界ボクシング協会(WBA)ミドル級王座戦で初防衛に挑む王者アッサン・エンダム(仏)が17日、東京都内で練習を公開した。同級1位の村田諒太(帝拳)との5カ月ぶりの再戦に向けて「千%の自信がある」「どちらかが倒れるとすれば村田」と話し、王者の自信をのぞかせた。
村田、完全決着狙う 「不可解判定」から再戦、どう戦う
村田陣営が視察する前での練習は約1時間。ミット打ちなど軽めの内容だったが、常にサイドや後ろに動きながらパンチを繰り出した。初戦は4回に村田の右ストレートでダウンした。村田を指導する田中繊大(せんだい)トレーナーは「5カ月で大きくは変わらないが、村田の右に対する練習はしてきたと感じた。前回と違うプランを練ってくると思う」。
動くエンダムと、力で押す村田。ともにスタイルは完成しており、再戦は作戦面の勝負になるだろう。「お互いの戦略のぶつかり合いになる」とエンダム。そこで全幅の信頼を置くのがキューバ出身のトレーナー、ペドロ・ディアス氏だ。
ディアス氏の門下生にはキューバ代表の五輪2大会連続金メダリストで、現WBAスーパーバンタム級スーパー王者ギジェルモ・リゴンドーらがいる。特にディフェンス面の指導に定評があり、エンダムから頼み込んでコンビが実現したという。ディアス氏は「前回のミス(ダウン)を出さない試合にする」と言った。
2人は親子のような関係にも見え、練習中はディアス氏がエンダムの肩を抱きながら指示をする場面も見られた。また、ディアス氏はサンドバッグにお面のような器具を装着し、村田の顔面を想定した打ち込みをさせた。田中トレーナーは「あれは特注だそうです。でも、村田のほうが男前ですよね」と苦笑いした。(伊藤雅哉)