国際オリンピック委員会(IOC)は17日、2026年冬季五輪の開催都市を選定する方式を発表した。これまでの方式と異なり、17年10月から1年間、開催に関心を示す都市やオリンピック委員会とIOCが五輪を開催するメリットや要求される条件について話し合う期間が設けられることとなった。
IOCによると、この対話の期間中は、開催を希望する都市からの公式な提案や、政府保証などは求めない。対話の期間を経て、各都市が正式に立候補し、18年10月から1年間、選定作業を行い、19年9月にイタリア・ミラノの総会で決まる。IOCは柔軟性や対話が深まるとしている。
26年の冬季五輪をめぐっては、札幌市が開催を目指している。一方、過去に2回の冬季五輪を開いているオーストリア・インスブルックは26年大会への関心を示していたものの、15日に住民投票で反対の意思が示されたばかりだった。
五輪の開催都市選定をめぐっては、多額な開催費用が批判され、住民投票の結果、立候補を取りやめるケースが後を絶たない。24年の夏季五輪では、IOCのバッハ会長のおひざ元のドイツ・ハンブルクを始め、ブダペスト、ローマと辞退が相次ぎ、9月のIOC総会では24年のパリ五輪、28年のロサンゼルス五輪を同時に決定するという異例の事態となった。22年冬季五輪でも辞退が相次いだ。最終的には北京に決まったが、来年の韓国・平昌に続き、アジアで2大会連続で開かれることとなった。(ロンドン=河野正樹)