訓示する警察庁の坂口正芳長官=大阪市中央区の大阪府警本部
指定暴力団山口組と指定暴力団神戸山口組、任俠(にんきょう)山口組の対立を背景に抗争事件が相次ぐ中、警察庁の坂口正芳長官が4日、大阪府警本部(大阪市中央区)を訪れ、取り締まり状況を視察した。捜査員ら約200人に訓示し、「市民が事件に巻き込まれることがないように警戒の徹底を」と呼びかけた。5日には兵庫、京都両府県警を視察する。
山口組をめぐっては、内部対立により2015年8月に神戸山口組が分裂。今年4月には神戸山口組から離脱した勢力が任俠山口組を設立し、三つどもえ状態となっている。全国各地で抗争事件が発生。9月には任俠山口組関係者が神戸市長田区で射殺される事件があり、神戸山口組系の組員が指名手配されている。
坂口長官は「情勢は予断を許さず、抗争の激化が懸念される」と指摘。情報収集を徹底し、「みかじめ料」をはじめ資金源の摘発を強めるよう指示した。この日は組事務所が多い大阪・ミナミを担当する南署も訪れた。