円満寺でお結び玉を撮影する女性たち=松山市道後湯月町
昨年12月の週末。松山市のシンボル・道後温泉本館は大勢の観光客でにぎわい、一時満員札止めとなっていた。本館前を見渡すと、女性が多い。大阪から友人女性と1泊2日で訪れた会社員の綾井ゆきのさん(26)は「雰囲気が落ち着いていて、写真映えする」と道後の魅力を語る。
本館を見上げると、窓が花火の写真で彩られていた。アートイベント「道後オンセナート」の一環で、女性に人気の写真家・蜷川実花さんが手がけた。レトロな建物に色が映え、夜になると幻想的な光を放つ。
女性同士での旅行を指す「女子旅」。旅行各社が近年力を入れており、JTB中国四国の担当者は「女子旅はターゲットを絞りやすく、分かりやすい」。これまでパンフレットは旅行先の方面別や旅館のグレード別などで作っていたが、最近は「女子旅」特集でパンフを作り、女性が好きなスイーツやパワースポット、写真映えする場所などを盛り込んでいる。
業界が女子旅の「聖地」として注目するのが、「日本最古の温泉」とも言われる道後温泉。予約サイト「楽天トラベル」の「ココロ潤う。おんな一人旅に人気の温泉地ランキング」では昨年まで4年連続1位。温泉地がある全国の自治体を対象に2016年から始まった「温泉総選挙」でも初代の女子旅部門1位に輝いた。
道後温泉旅館協同組合の越智英…