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同じ苦しみ知る人「つながりたかった」被害者連帯の時代

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美谷島邦子さんが1988年に出した絵本「いつまでもいっしょだよ」の原画。健ちゃんが乗った飛行機も、最後に見たであろう夏のあかね雲も、一筆一筆丁寧に塗られている。最近、紙芝居にもなった=鬼室黎撮影


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平成とは 第1部:時代の転機 (4)心のケアの時代


「心のケア」は昭和の時代には顧みられなかった。


「心の傷」に深まる理解 孤立から抜け出す手がかりに


特集:平成とは


「あの頃は、PTSDという言葉も被害者支援の認識もなくて。疎外感を感じました」。東京の立教女学院短大で昨秋、美谷島(みやじま)邦子(70)が講演した。若い世代に「いのちの授業」として、事故からの歩みや安全への思いを話している。


1985(昭和60)年8月12日、夏休みでほぼ満席だった羽田発伊丹行き日航機が群馬県の御巣鷹(おすたか)の尾根に墜落し、520人が亡くなった。9歳の息子・健がそのなかにいた。


「お茶わんのなかにも涙がぼとぼと落ちて」


遺族らがたちあげた8・12連絡会の事務局長を引き受けた。怒濤(どとう)の日々。取材で健のことを聞かれて泣いてトイレに駆け込み、事務局長をやる以上は健のことは話さないと決めた。


ほかの遺族から「死にたい」と電話が入る。どうしていいかわからず、「いのちの電話」のボランティア研修を受けた。


喪の悲しみは封印する時代だった。アメリカで生と死をめぐる動きを学んだ若林一美(現・同短大学長)に取材され、アメリカの遺族の集いの様子を聞いて、「話してもいいんだ!」。女性遺族で集まって、思いを共にした。


平成に入りしばらくすると、信楽高原鉄道衝突事故(91年)や中華航空機墜落事故(94年)の遺族も、御巣鷹に慰霊登山するようになった。のちに遺族の輪は広がっていく。


中華航空機事故で夫と両親を亡…



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