襲名披露口上であいさつする市川染五郎改め十代目松本幸四郎さん=2日午後6時9分、東京都中央区の歌舞伎座、代表撮影
歌舞伎界の大名跡「松本幸四郎」家の親子孫3代による襲名披露興行が2日、東京都中央区の歌舞伎座で始まった。市川染五郎改め十代目松本幸四郎さん(44)、松本幸四郎改め二代目松本白鸚(はくおう)さん(75)、松本金太郎改め八代目市川染五郎さん(12)の高麗屋3代が「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」の「車引」「寺子屋」、「勧進帳」に臨んだ。
「口上」で幸四郎さんは「自分のつとめる歌舞伎が、歌舞伎のための力になると信じて、天に向かって舞台に立ち続ける所存です」と述べた。幸四郎さんは「勧進帳」の弁慶を熱演。花道での「飛び六方」では観客から「高麗屋!」の声がかかった。
高麗屋の3代襲名は1981年、現幸四郎さんの祖父の故初代松本白鸚さん、現白鸚さん(当時九代目幸四郎)、現幸四郎さん(当時七代目染五郎)が同時に襲名して以来、37年ぶり。歌舞伎座での襲名披露興行は約2カ月間行われる。(米原範彦)