名古屋市や市住宅供給公社が発注した空調などの管工事の入札をめぐり、一般社団法人「名古屋設備業協会」の役員を含む一部業者が2016年5月、落札予定者(本命)の決め方や受注数の目安など、受注調整(談合)のルールを会議で確認していたことがわかった。朝日新聞が音声を入手し、関係者に取材した。
出席者の一人は「(会社を)守るためにやらざるを得なかった。今はやっていない」と認めた。
会議は協会事務局の入る市内の水道会館で開かれ、市の入札参加資格でBランク(発注額1100万円以上8千万円未満)の複数の業者が参加。
市の住宅都市局の一般競争入札では、談合の協力回数の点数化などで「本命」を決めていたほか、年度内の受注の目安を3件、総額8千万円などとしていた。市住宅供給公社の指名競争入札でも、指名回数が最多の業者を「本命」としていた。業界関係者はこうしたルールは数十年前からあり、二十数社が参加していると証言した。
公正取引委員会OBの横田直和・関西大教授(経済法)は「点数や順番で決めるのは古典的な談合のルール。ルールに基づき落札業者を決めることが長く続き、機能しているのならば、独占禁止法違反の疑いが強い」と指摘している。(嶋田圭一郎)