競馬の配当金所得約1億6千万円を申告せず、所得税約6千万円を脱税したとして所得税法違反の罪に問われた大阪府寝屋川市職員の中道一成被告(48)=起訴休職中=の判決が9日、大阪地裁であった。村越一浩裁判長は「金額は多額で、納税義務も認識していた」と述べ、懲役6カ月執行猶予2年、罰金1200万円(求刑懲役1年、罰金1900万円)を言い渡した。
判決などによると、中道被告は2012年と14年、日本中央競馬会が指定する5レースの1着をすべて当てる「WIN5」を2回的中させ、配当金を受け取ったのに申告せず脱税した。
被告側は公判で、大阪国税局が違法な手法で被告の口座情報を得た可能性が高いと主張し、公訴棄却か無罪を求めた。判決は、被告の口座を詳しく調べることが別の脱税事件の調査に必要だったとする検察側の主張には疑問があり、「(国税の調査に)違法の疑いは残る」と指摘。しかし「証拠能力を否定するほど重大とはいえない」と判断し、被告側の主張を退けた。
大阪国税局は判決を受け「調査は適正に実施している」とコメントした。(大貫聡子)