検察側の論告を聞く野村悟被告=福岡地裁、絵と構成・宮崎志帆
指定暴力団工藤会(北九州市)の「上納金」を巡る脱税事件で、所得税法違反の罪に問われた工藤会トップで総裁の野村悟被告(71)と、同会幹部の山中政吉被告(67)の論告求刑公判が27日、福岡地裁(足立勉裁判長)であった。検察側は「脱税額は極めて多額で、実刑で臨むべきだ」として、野村被告に懲役4年、罰金1億円を、山中被告に懲役3年6カ月をそれぞれ求刑した。
福岡県警が2014年9月に工藤会壊滅をめざして始めた「頂上作戦」をめぐり、検察側が野村被告に求刑するのは初めて。
起訴状によると、野村被告は10~14年、工藤会の「金庫番」とされる山中被告と共謀。建設業者などから工藤会に上納されたみかじめ料のうち、約8億1千万円を個人の所得にしながら別人名義の口座に隠し、所得税約3億2千万円を脱税したとされる。
検察側は企業などから集めた上納金について、山中被告が野村被告ら最高幹部と工藤会本体の取り分をそれぞれの口座にほぼ一定の比率で振り分けていたと指摘。口座から払い戻された現金が、親族への送金など野村被告個人の用途に充てられていたと強調した。
その上で野村、山中両被告が「…