都市対抗出場を決め、ウィニングボールを受け取る西部ガスの香田監督
野球の都市対抗九州地区予選最終日は31日、第2代表決定戦(北九州市民)が行われ、西部(さいぶ)ガス(福岡市)が沖縄電力(浦添市)を6―2で破り、4年連続4回目の出場を決めた。駒大苫小牧高(北海道)を率いて夏の甲子園2連覇の実績がある香田誉士史監督(47)は、就任1年目で社会人でもチームを全国に導いた。
勝ちが決まり、泣けた。「勝たせてやれるか、毎日が不安でした」。初戦で敗れて敗者復活に回り、5試合を勝ち抜いてつかんだ残り1枠。「高校は負けたら終わりだが、負けてからも、はいつくばって上がっていくだいご味があった」
駒大苫小牧では2004年に全国初優勝。田中将大(ヤンキース)を育て翌年に連覇した。鶴見大コーチをへて6年前、創部した西部ガスのコーチに。アマの最高峰でやりたかったという。昨年11月、監督に昇格した。「高校も社会人も同じ野球。人と人」。選手とよく話して方針を伝え、信頼して多くを任せた。主将の松薗は「のびのびやれる雰囲気を作るのがうまい人です」と手腕に感じ入る。
前任はこの日、東都大学を制した東洋大の杉本泰彦監督。「恩返しは杉本監督が築いたものを超えること」と香田監督。まずはチームが未達成の全国1勝を目指す。(隈部康弘)