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ポーランドにみる愛国心 大国に臆さず主張「頼もしい」

ポーランドの現政権が、周辺諸国との摩擦を生みかねない愛国主義的な姿勢を強く打ち出している。冷戦終結後、欧州連合(EU)に加盟し、西側の一員になったかに見えた国で何が起きているのか。(プワーブィ〈ポーランド〉=高野弦)


「もし誰かが戦争を始め、たくさんの国民を殺し、国を廃虚にしたなら、賠償金を支払うべきだ」


5月17日、ニューヨークの国連本部。安全保障理事会の議長国としてポーランドのドゥダ大統領が演説した内容が波紋を呼んだ。賠償すべき国とされたのはドイツだ。第2次大戦中、ナチスドイツがポーランドに侵攻、多くの生命を奪った行為に対し、賠償義務があると主張したのだった。


きっかけは昨年7月、与党「法と正義」のカチンスキ党首が党大会で「我々には倫理的にもドイツから賠償を受ける権利がある」と訴えたことだった。国会に賠償金を算出する委員会ができ、年内に結果を公表する見通しだ。


ドイツが東西に分断されていた1953年、ポーランドは賠償請求を放棄しており、現ドイツ政府は「決着済み」との立場だ。しかし、この問題で音頭をとってきたマチェレビッチ前防衛相(69)は「賠償放棄はソ連に強要されたもので国際法的に無効」と話す。同氏によると、賠償請求は同党の以前からの主張。親欧州で現野党の「市民プラットホーム」が政権にあった際は実現しなかった。


国立社会意見調査センターの昨年11月の調査では、国民の54%が「ドイツに賠償金を請求すべきだ」と答え、「すべきではない」の36%を大きく上回る。



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