ギリシャの首都アテネ近郊で23日、複数の山林火災が発生し、アテネ通信などによると24日正午(日本時間同日午後9時)現在、少なくとも50人が死亡、170人以上が病院に運ばれた。うち11人が重体で、死者がさらに増える可能性もある。
犠牲者はアテネの北東約25キロにある海岸沿いのリゾート地、マティに集中しているという。高温で乾燥した強風の影響で、街が一気に炎と煙にのみ込まれた。火災を逃れて海に飛び込んだり、ボートなどで海に避難したりした観光客や住民らの救助作業が続いている。
火災はマティのほか、アテネの西約45キロにあるキネタなどでも発生。アテネ周辺のアッティカ地域に、非常事態宣言が出された。
ボスニアを公式訪問していたチプラス首相は日程を切り上げて帰国。「国を挙げて最善を尽くす」とした上で、欧州連合(EU)の加盟国に救援を求めた。
ギリシャでは2007年にも、南西部のペロポネソス半島などで大規模な山林火災が発生し、50人以上が死亡した。(ローマ=河原田慎一)