アニメやゲームの登場人物などに扮した「コスプレイヤー」が国内外から集まる「世界コスプレサミット」が、28日から8月5日まで名古屋市を中心に開かれる。主催者は、4、5の両日に名古屋城や栄のオアシス21などを撮影できる場所として挙げている。コスプレのまま地下鉄を利用できると公式サイトに初めて掲載されたため、当日は参加者が地下鉄で移動する珍しい光景が見られそうだ。
昨年のサミットで日本代表を務め、国内外のイベントに参加しているコスプレイヤーの万鯉子(まりこ)さんによると、国内の他のイベントでは貸し切り会場の敷地内でしか衣装を身につけられない場合がほとんどだといい、「街中が会場になること自体あまりなく、電車で移動できることはとても珍しい」と話す。
サミットは名古屋・大須の街おこしの一環として2003年に開始。愛知万博(愛・地球博)があった05年から世界一を決めるチャンピオンシップも開いている。16回目となる今年は、38の国・地域の予選を勝ち抜いたコスプレイヤー約75人が参加する。
コスプレのままの地下鉄利用は以前もSNSを通じて呼びかけてきたが、会場が大須から名古屋城と広範囲なため、公式サイトに初めて載せ、より積極的に広報しているという。
これまでも乗車は禁止されてはいなかった。しかし明文化する前は「乗る人はほぼいなかった」と、サミットの森貴宏プロデューサー(35)は振り返る。
コスプレイベントは会場で着替えることを規則にしているか、参加者の自主規制で会場着用に限っている場合が多い。その背景について、森さんは「コスプレできる場所をみんなで守ろうとする意識がある」という。そのため、サミットではあえて利用できると打ち出している。
サミットには11年から名古屋市が、主催する実行委員会に入り、14年から市営地下鉄などの1日乗車券「ドニチエコきっぷ」のサミット版を販売。市の全面協力を得ることで地下鉄の利用推進ができるようになった。(山下奈緒子)