(25日、高校野球茨城大会決勝 土浦日大6―1常総学院)
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茨城大会決勝で、常総学院が土浦日大に完敗した。春の県大会で優勝し、関東大会はベスト4。例年以上の強力打線を作り上げて100回大会に臨んだが、決勝で持ち味を発揮できなかった。
「決勝で負けない常総の伝統を崩してしまい、申し訳ない」。試合後、佐々木力監督は汗を拭きながら、こう絞り出した。
69回大会でエース島田直也=元横浜など=、1年生の仁志敏久=元巨人など=を擁し、甲子園に初出場して準優勝して以来、常総学院は茨城大会の決勝にめっぽう強かった。一昨年の98回大会で甲子園に出場するまで16勝2敗。「決勝まで進んだら、勝たなきゃ意味ないよ」が口癖だった木内幸男監督が作り上げた「ここ一番で強いチーム」の伝統があった。
ただ今年の決勝は、土浦日大にのまれているようにも見えた。佐々木監督は「向こうは去年も甲子園に行っているし、うちは受けに回ってしまった」。四回にミスも絡んで6点を失って相手に渡した流れを、最後まで引き戻せなかった。
「100回大会の甲子園に、うちが行けないのは寂しい」と佐々木監督。常総学院は近年、茨城の高校野球界をリードしてきた。13年前の87回大会で藤代が柳川(福岡)に3―2で勝って1回戦を突破した後は、常総学院以外の茨城勢は夏の甲子園で1勝も挙げられていない。
100大会の甲子園切符を手にした土浦日大の小菅勲監督も「木内門下生」だ。1984年の66回大会で、木内監督が率いた取手二が桑田真澄、清原和博を擁したPL学園(大阪)を決勝で破って全国優勝した時の三塁手が小菅監督、二塁手が佐々木監督だった。「2年連続で甲子園に行けるなんて。決勝で常総に勝てて一段と力がついたと思う」と小菅監督が言えば、佐々木監督は「甲子園でも一つでも上まで勝ち上がってもらいたい」と同級生にエールを送った。
この日の常総学院は先発9人のうち6人が2年生。101回大会に向けて佐々木監督は「投手を中心に守りをベースにして、少ない好機でも得点能力の高いチームを育てていきたい」と再起を誓った。
取手二で一度、常総学院でも一度、夏の全国優勝を果たした木内さんは、教え子対決となった決勝を球場の関係者席で見守り、「常総は春と違って打てない。6点とられて悪循環になった。土浦日大は甲子園で思い切り暴れてきてほしい」と話した。(平井隆介)