大手百貨店で27日、夏のセールの第2弾が始まった。全国の約150店舗がそろって夏物衣料品などのさらなる値下げをする初めての取り組み。業界を挙げて集客し、衣料品の販売不振にてこ入れする。官民で早帰りを推進して消費を喚起する「プレミアムフライデー」にも合わせた。
大丸松坂屋百貨店は27日、全国11店舗で「プレミアムサマーバザール」を始めた。大丸東京店(東京都千代田区)では8月7日ごろまで衣料品約30ブランドなどが参加。6月末からのセール第1弾で値下げされた商品を「2点で10%オフ」など、更にお買い得にした。「今年は暑く、夏物がまだまだ売れる。セールで消費を喚起できたら」と広報は期待を寄せる。
松屋銀座(東京都中央区)でも27日から夏物などを一斉に値下げ。男性用のジャケットを含む「クールビズ6点パック」(税込み1万800円)といった詰め合わせも用意した。
百貨店各社は年々、夏のセール開始時期を早めてきた。その結果、「夏物を定価で売る期間が短くなっていた」と大手アパレルの三陽商会の岩田功社長は言う。全国の百貨店の衣料品売上高は4年連続で前年を下回っている。
そこで今年は、6月末からのセールでは春~初夏ものを売り出し、盛夏ものは定価販売を継続。7月末から盛夏ものをセールに出す。細かく時期を分けて、セールものと定価の商品を組み合わせて売る戦略だ。
日本アパレル・ファッション産業協会が百貨店業界に働きかけた。三陽商会は盛夏ものの点数を昨年より2割増やしたという。
日本百貨店協会の山崎茂樹専務理事は「冬のセールでも、ぜひセール第2弾を1月末ごろに実施したい」と話す。(高橋末菜)