近畿では27日、強豪同士の因縁の対決に注目が集まった。
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北大阪大会で大阪桐蔭と履正社が戦う大阪市此花区のシティ信金スタジアムには、午前9時の開門の1時間以上前から大勢の人が入場待ちの列をつくった。先頭にいた大阪府八尾市の会社員冨田仁史さん(47)は、有給休暇を取って午前3時から並んだ。「夏のこの対決を1年間待っていた。接戦でいい試合が見たい」
史上初の大阪勢同士の決勝となった2017年の選抜大会では、甲子園を4万人の観客が埋めた。15年夏の大阪大会2回戦では、シティ信金スタジアムに2回戦では異例の1万3千人の観客が詰めかけ、普段使われない外野席が開放された。
08年春以降のこの10年の公式戦で両校の試合は計22回あり、大阪桐蔭の16勝6敗。夏の大阪大会に限ると大阪桐蔭が7戦全勝だ。公式戦での最近の対決は昨秋の府予選決勝で、大阪桐蔭が9―2で勝利している。
履正社の岡田龍生監督(57)は「今年の大阪桐蔭は打力も投手力も飛び抜けている。うちがどこまで食らいつけるか」。大阪桐蔭の西谷浩一監督(48)も「大阪で一番強い相手。しっかり戦いたい」と語っていた。
奈良大会は準決勝で天理と智弁学園が対戦。天理は昨夏の優勝校、智弁学園は今春の選抜出場校。両校が上位常連となったころからの奈良大会の過去40回(1978年以降)では、直接対決は19回。戦績は智弁学園が10勝、天理が9勝とほぼ互角。優勝は天理が21回、智弁学園が16回。ほかの優勝校は郡山(1993年、2000年)と桜井(13年)だけだ。
昨夏も準決勝で対戦。先発投手は天理は坂根佑真投手(3年)、智弁学園は伊原陵人(たかと)投手(同)。いずれも当時2年で、今夏もともにエースとしてチームを支える。昨年は、九回に智弁学園が1点差まで迫ったが、天理が8―7で逃げ切った。一方、春の近畿大会県予選準決勝では智弁学園が天理に10―0の5回コールド勝ち。天理の坂根投手は「昔から天理に入って、智弁学園を倒すのが夢だった。甲子園の舞台で勝負がしたい」。太田椋(りょう)主将(3年)は「ベンチやスタンドも一体とならないと勝てない相手。チーム一丸となって戦いたいです」と意気込んだ。
智弁学園の伊原投手は「(昨夏に天理に敗れた)一つ上の学年の分も背負って、挑戦者の気持ちで投げたい」。小口仁太郎主将(同)は「もう同じ相手に負けられない。絶対に勝つつもりで挑みたい」とリベンジに燃えていた。
天理の中村良二監督(50)は「自分たちだけでなく、みんなで野球をする。支えてくれるみんなの思いを背負ってプレーしてほしい」。智弁学園の小坂将商(まさあき)監督(41)は「春の結果は全く関係ないと思う。去年やられているので、悔しさをもって挑みたい」と話していた。(遠藤隆史、桜井健至)