広島県廿日市(はつかいち)市宮島町の厳島神社は28日、台風12号の影響で、29日に予定していた日本三大船神事の一つ「管絃祭(かんげんさい)」の中止を決めた。平安時代末期に平清盛が厳島の姫神を慰めるために始めたとされる。管絃祭の中止は明治天皇が亡くなった1912年以来106年ぶりだという。
台風12号、西日本で二次災害の恐れ 備えておくことは
毎年、旧暦の6月17日に開かれてきた。宮島観光協会によると、昨年は8月8日に開かれ、約1万5千人の観光客が訪れた。94年7月に台風7号が四国に接近した際には、船の引航だけ中止したこともあった。
祭りでは、3隻のこぎ船が祭神を納めた御座船を引いて管絃を奏でながら対岸の地御前(じごぜん)神社に向かう神事があり、厳島神社は「台風が接近する時間帯にあたり、事故が起きるのを防ぐため」と説明している。(佐々木康之)