京都大会は、龍谷大平安の優勝で幕を閉じた。好ゲームが続き、何人ものヒーローが生まれた。大雨や酷暑の影響をまともに受けた大会でもあった。75校が繰り広げた熱戦の興奮を振り返る。
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龍谷大平安が投打で圧倒した大会だった。6試合で75安打70得点、チーム打率は4割5分7厘。準決勝までの5試合すべてでコールド勝ちした。失点はわずか3点だった。
春の選抜大会に出た乙訓との準々決勝は、優勝候補の対決として注目された。追い込まれるとバットを短く持ち、コンパクトに振ることを意識し、五回に8得点をあげて試合を決めた。
4番打者で主将の松田憲之朗(けんしろう)君は1本塁打を含む8安打14打点。3番の松本渉君、5番の馬場友翔(ゆうと)君もバットが振れていた。
エース小寺智也君は、4試合で21回3分の2を投げて無失点。制球力とスライダーのキレが際立っていた。決勝は4被安打、8奪三振で完封した。(川村貴大)
初タイブレーク、連続サヨナラも
息詰まる熱戦も多かった。3回戦では、前回優勝の京都成章と乙訓がぶつかった。投手戦となり、1―1で延長へ。十二回裏に乙訓がサヨナラ勝ちした。
開始時点からナイターとなった準々決勝の立命館宇治―鳥羽は、打ち合いのすえに延長に入った。5―5で迎えた延長十一回表、立命館宇治が適時打で勝ち越し、逃げ切った。3時間半を超える熱戦となり、終了は午後10時37分。同10時からは両校生徒を除き、保護者同伴でない高校生以下の人は観戦が禁じられた。
2回戦の洛東―北桑田は京都大会で初めてタイブレークが適用された。北桑田が十四回裏に適時打でサヨナラ勝ちした。久御山が九回裏に4点差をはね返し、北稜にサヨナラ勝ちした試合も劇的だった。創部20年目で初の4強に進んだ京都国際、2試合連続でサヨナラ勝ちした花園の活躍も目立った。(興津洋樹)
大雨と猛暑で、試合日時変更
西日本豪雨で開幕は予定より2日遅れの9日となった。府北部の一部の学校のグラウンドは、水につかったり土砂が流れ込んだりした。自宅から避難した選手もいた。
浸水被害が目立った舞鶴市にある西舞鶴は、46年ぶりに8強に入った。北部の学校で唯一の8強だった。同校が全体練習を再開できたのは開会式当日。佐藤竜樹(たつき)主将は「ぼくらのプレーで被災した地元を勇気づけたい」と思って頑張ったという。
京都市内は、決勝があった26日まで13日連続の猛暑日となった。選手や観客らの体調管理のため、準々決勝では昼休憩をとり、決勝の開始は午後1時から午前9時に変更。吹奏楽の応援を見合わせた日もあった。(本多由佳)