(1日、ソフトバンク14―6西武)
ソフトバンクが2桁安打で大勝。二回に長谷川勇が同点2ラン。中盤にも集中打を浴びせた。新人大竹は8回2失点でプロ初登板初先発勝利。
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ソフトバンクの新人左腕・大竹耕太郎投手が1日の西武戦で初めてプロの1軍のマウンドに上がった。早大出身で7月30日に支配下登録されたばかりの23歳が西武打線を8回2失点に抑えた。育成ドラフト出身のプロ初登板初先発勝利は史上初の快挙だ。
一度はあきらめかけたプロの世界だった。熊本県屈指の進学校、済々黌(せいせいこう)高校時代の2012年にチームを18年ぶりに夏の甲子園に導き、早大では1年から神宮のマウンドに立った。2年時には全日本大学選手権で優勝。順調に成長し、プロの各球団も興味を抱き始めた矢先だった。
「投げ方がわからなくなった」
不振に陥った。フォームを崩し、球威が落ちて制球は定まらない。打ち込まれる試合が続き、寝ているときも「打たれて監督がベンチから出てくる夢ばかり」。4年春には左肩を痛め、投げられない日々を送った。
昨秋のドラフト。どうにか育成選手として指名されたが、社会人野球に進むべきか、ぎりぎりまで悩んだ。数多くのプロ選手を輩出してきた早大では、ドラフト上位で入団する選手がほとんど。プロ入りを反対するOBの声も少なくなかった。プロでも活躍したOBの一人は、不機嫌だった。「早稲田から育成で指名されるなんて恥ずかしい。どないなっとんねん」
周囲の声は大竹の耳にも入ってくる。育成選手だと契約金はなく、年俸と支度金をあわせて数百万円。社会人チームに進めば収入は安定し、その後にプロを目指すという道もある。それでも、決心した。「入り方はどんな形でもいい。のし上がって、1年以内に支配下になってみせる。見返したい」。強い覚悟を持ってプロの世界に飛び込んだ。
入団後は、今季から就任した久…