架空の外貨両替サービスを持ちかけ、出資金として現金1千万円をだましとったとして栃木県警足利署は8日、住居不定、元JTB社員田村泰暢(よしのぶ)容疑者(49)を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。「言っていない言葉もある」と容疑を一部否認しているという。捜査関係者によると、同様の被害は他にもあるとみられ、被害総額が最大で24億円に上る可能性があるという。
署によると、田村容疑者は2016年3月20日、前橋市内で会社役員の男性(58)に「円を米ドルに両替することで会社に手数料が8%戻される。お客には4%が入る」などとうその両替サービスを持ちかけ、現金1千万円をだまし取った疑いがある。
捜査関係者によると、田村容疑者は10年ごろから、JTBの職務で知り合った顧客やその知人らに同様の出資を持ちかけており、約50人から計約24億円を集めていたという。出資金の返還を求められるなどして資金繰りに行き詰まったため16年7月、署に出頭し、県警が任意で調べていた。JTBは同月、田村容疑者を懲戒解雇している。(若井琢水)