原子力発電所で使うウラン燃料の製造会社「三菱原子燃料」(茨城県東海村)の東海工場で、排気ダクトに約200カ所の隙間が見つかっていたことがわかった。ダクト内の気圧が外部より低く抑えられており、同社は「放射性物質は外に漏れていない」と説明している。原子力規制委員会が、対策や点検方法の見直しなどを求めている。
今年3月、原子力規制庁の検査官が指摘し、同社が点検していた。同社によると、隙間はダクトのつなぎ目にできており、目視で分からないほどの大きさ。工場運転の振動や地震の影響で隙間が開いた可能性があるという。
ダクト内は、放射性物質を扱った設備から排出された気体が流れており、フィルターを通って浄化されている。同社は隙間をふさぐ補修を進めており、部品の交換も検討する。
ダクトの隙間をめぐっては、同業の「原子燃料工業」の工場(茨城県)でも6カ所で見つかっている。(佐藤仁彦)