山口県下関市の下関医療センターが保管していた点滴の輸液バッグ2袋に、針で刺したような穴が見つかった。県警の鑑定で、1袋から消毒薬に含まれる界面活性剤が検出された。センターが21日、発表した。県警は器物損壊と威力業務妨害の疑いがあるとみて調べている。
センターによると、7日に病棟で患者へ投与しようとして異状がわかった。看護師が午前2時ごろ、点滴液の外袋を開けたところ、中の輸液バッグから液が漏れていた。また別の看護師2人が午前8時半ごろ、点滴液の外袋を開けて輸液バッグを遮光袋に入れ、ナースステーション内に置いたところ、午前9時10分ごろ液漏れに気づいた。
いずれも輸液バッグに1カ所ずつ、針状の穴が開いていた。二つ目の輸液バッグは遮光袋にも穴が開いており、県警の鑑定で界面活性剤が検出された。
2袋とも栄養分と水分を投与する点滴用。6日午後7時ごろ、院内の薬剤科から届き、ナースステーション内の処置室で薬剤カートなどに保管していた。処置室や薬剤カートにカギはあったが、院内マニュアルでは施錠を義務づけていなかったという。センターは職員からの聴取など内部調査を進めており、山下智省(さとよし)院長は「患者や市民に不安を与え、責任を感じている」と述べた。
下関医療センターは独立行政法人・地域医療機能推進機構が運営し、315床ある総合病院。(山田菜の花)