栃木県茂木町で廃校になった学校施設を宿泊施設などに再利用している「昭和ふるさと村」で今月から、プールサイドにテントを設けた「グランピング&水上ハウス」が開業した。学校のプールにテントという不思議な空間が楽しめる。
茂木町木幡の木幡小は2006年に廃校になった。1930年代に建てられた歴史ある木造校舎の外観を残すことを条件に、町が貸出先を公募。那須町でオートキャンプ場を経営していた中村利美さん(69)が気に入って、09年、宿泊施設などを備えた昭和ふるさと村としてリニューアルした。
宿泊施設は和洋室8室にコテージ2棟。陶芸やそば打ち、こんにゃく作りなどが体験できるほか、体育館、グラウンド、会議室もあって合宿や研修にも利用されている。また昭和30年代の学校給食を再現し、教室で楽しむことができるなど、懐かしさあふれる場所になっている。
今回は今まで手つかずだった25メートル、5コースあるプールを整備。左右のプールサイドに2棟ずつ、4棟のテントを設置した。テントは直径4メートル、広さ24平方メートル、定員は4人。快適なキャンプが楽しめるグランピング施設で、雨よけの屋根にエアコンつき。プールにせり出す形でデッキもついている。
プールに浮かぶように設けられた水上ハウスもあり、宿泊者がくつろぐことができる。料金は1テント2人以上で、大人1人平日8360円(1泊2食つき)。
施設の多くを自作した中村さんは「グランピングがはやっているが、どこも高価格なので普通の料金で泊まれるものを目指した。キャンプ気分で、廃校の懐かしい雰囲気を堪能してほしい」と話している。(斉藤勝寿)