日産自動車は27日、日産ブランドとして今秋初めて中国市場に投入する電気自動車(EV)のセダン「シルフィ ゼロ・エミッション」の生産を広州市の花都工場で始めた。新工場の建設も計画中で、乗用車の生産能力を3割増強する。世界最大市場の中国でEVを含めて販売を加速させる狙いだ。
この日の生産開始式で、日産の西川広人社長は「中国市場での成長は中期計画でも大変大きな目標だ。中国は世界最大の市場。特にEVの普及と拡大で今後、世界をリードしていく」と述べ、シルフィEVに期待を寄せた。
日産ブランドとして中国で最も売れている「シルフィ」に、EV「リーフ」の電動技術を搭載した。価格は16万6千元(約270万円)。単純比較はできないが、国内で販売するEV「リーフ」より40万円前後安い。
日産はシルフィに続き、2019年までに新たに4車種の新型EVを投入する計画だ。22年までに、ガソリン車を含めて現在より100万台以上多い年260万台の販売目標を掲げる。この日は、03年に始めた東風汽車との合弁会社での現地生産が累計1千万台に達したことも発表したが、この4分の1を1年間でつくるハイペースだ。
このため、年産能力20万~30万台規模の組み立て工場を新たに建設する。合弁会社トップの内田誠総裁は、合弁会社の本社がある湖北省武漢などが候補地に挙がっていることを明らかにした。
さらに、東風が持つ2工場を増…