幕末に活躍した坂本龍馬(1836~67)が福井藩士に宛てた花押(かおう、サイン)入りの書簡の原本が、9月22日から福井県立歴史博物館(福井市)で初めて一般公開される。県が23日発表した。県によれば、文末に記された花押は「龍」の左側と「馬」を組み合わせ、龍馬の花押を確認できる国内唯一の原本とされる。
書簡は縦15・5センチ、横51センチ。個人が所蔵する。1864(元治元)年10月6日の日付があり、龍馬が福井藩士の村田氏寿(うじひさ)宛てに書いたとみられる。村田の病気回復を喜ぶ表現のほか、「近日内東下せり」など龍馬が近日中に関東へ下る予定も記されていた。
龍馬の花押は1863(文久3)年7月8日付の書簡でも知られていたが、この書簡の原本は焼失したなどとされ、行方不明となっている。今回初公開される書簡については、2010年に歴史雑誌に写真だけが紹介された。その後、福井県が借り、専門家の鑑定を経て原本と特定された。
書簡は11月4日まで、福井県立歴史博物館の特別展「幕末維新の激動と福井」で展示される。問い合わせは同博物館(0776・22・4675)へ。(山田健悟)