宮崎県延岡市の介護施設「ひまわり」で今月、中国人女性2人が働き始めた。昨年11月に外国人技能実習制度が変わり、介護の分野でも実習生が受け入れられるようになった。2人はその第1号だ。
語学力は二の次、人材の確保を優先 介護の外国人実習生
簡雪梅さん(47)と柴艶紅さん(41)は7月に来日。今月上旬、施設で本格的な業務開始に向け、体温測定や衛生管理などを学んでいた。
「マスクを着けてつばが飛ばないようにする。つば、わかる?」。職員の説明に簡さんは首をかしげた。「唾液(だえき)」と書くと、「ああ」とうなずいた。
2人は中国・大連の介護施設で働いていた。「日本で技術を磨けば、収入も増える」と介護実習生に応募。4カ月間、日本語を学び、日本政府が入国時の要件とする日本語能力試験で下から2番目の「N4」に合格した。「ややゆっくりの会話であれば、ほぼ理解できる」レベル。2人は夜や週末に日本語を勉強している。「日本の介護は家族のように接する。できるようになりたい」と言う。
日本では介護の人材不足が深刻だ。厚生労働省の推計では、団塊世代が75歳以上になる2025年度には全国で約34万人の介護職員が足りなくなる。
政府は、08年から経済連携協…