JR東海は30日、新幹線運転士を対象に、走行中の車内で火災が起きたり、地震が発生したりした場合などの対応を訓練する「異常時訓練シミュレーター」を導入すると発表した。新幹線を運行するJR各社によると、異常時対応に特化したシミュレーターの導入は初めてという。
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新シミュレーターは運転台を模した構造で、車内での火災発生や不審者などの「不測の事態」、地震、風雨など数十種類の「異常時」を設定。運転士はそれぞれのケースに応じて、車内カメラを通じた状況把握や、指令室や車掌らとの情報共有のやり方を学ぶ。従来の教育用シミュレーターは、運転操縦や車両故障への対応が中心だった。
金子慎社長は「新たな装置での訓練を通じ、運転士や車掌らクルー全体の連携力強化も期待できる」と話した。(細沢礼輝)