独フォルクスワーゲン(VW)は13日、カブトムシのような形で知られている小型車「ビートル」の生産を2019年で終了すると発表した。ナチス時代のドイツで誕生し、戦後はドイツ復興の象徴にもなった名車が約80年の歴史に幕を下ろす。
ビートルは、アドルフ・ヒトラーによる大衆車政策のもとで開発が進められ、1938年に登場。本格生産は第2次世界大戦後に始まり、同社を代表する小型車のベストセラーに。西ドイツ経済の再建を支えた。現行のモデルはメキシコで生産しているが、19年7月で打ち切る。
VWは、ディーゼル車の排ガス検査の不正問題を踏まえて、経営改革を進めている。電気自動車の開発に注力するなど商品戦略も見直している。ビートルの日本での販売は、2019年での終了を発表済みだ。(ローマ=寺西和男)