鹿児島の蔵元が相次いで焼酎の新商品を売り出している。県内には全国でも珍しい「焼酎神」をまつる神社も登場。焼酎の消費量が減る中、宮崎と並ぶ「焼酎王国」が、ブームよ再びと懸命だ。
9日、鹿児島県南さつま市。800年以上の歴史をもつ竹屋神社に、新たに「焼酎神」を加える神事があり、県内の蔵元代表者ら約200人が集まった。
同神社は、酒造の神から生まれたという祭神などをまつる。焼酎に詳しい鮫島吉廣・鹿児島大客員教授らが神話を調べ、焼酎づくりと結びつけられるとして「焼酎神」を加えた。焼酎を神にまつる神社は全国唯一とみられるという。
参列した県酒造組合の浜田雄一郎会長は「焼酎の中心地ができた。焼酎王国、この鹿児島から革新を起こしたい」と力を込めた。
帝国データバンクによれば、2017年、売上高に占める焼酎・泡盛の割合が50%以上の上位50社のうち約6割が減収。2007年度をピークに、国内消費量は減少を続ける。
県酒造組合によると、2017酒造年度(7月から翌年6月)の出荷量は約11万キロリットルでピーク時の7割。14酒造年度、10年間守った出荷量日本一の座を宮崎県に譲ったが、いまも全国最多113の蔵元数を誇る「焼酎王国」だ。
こんな中、老舗の蔵元が新商品を相次ぎ発売し、攻めの姿勢をみせている。
「宇都酒造」(南さつま市)は…