言葉の意味の変化や新語の広がり具合を調べる「国語に関する世論調査」。25日に文化庁が発表した結果を、「言葉のプロ」はどう読み解くのか。10年ぶりに改訂され今年1月に刊行された「広辞苑第7版」の編集責任者、岩波書店の平木靖成・辞典編集部副部長に聞いた。
6割以上の回答者が本来の意味とは違う方を選んだ「なし崩し」「檄(げき)を飛ばす」について、平木さんは違うパターンの変化を遂げたのではないかとみた。
《なし崩し》は広辞苑では「①借金を少しずつ返却すること②物事を少しずつましてゆくこと」と書かれている。平木さんはこれを「連続性がある」と言う。「少しずつ既成事実を積み上げる。時間がたつにつれてだんだんとそういう状況になる。少しずつ借金なんて元々なかったということにしてしまう――。こうして、だんだん何もなかったという意味に変わるのは不自然ではないと思います」
最初からなかったと開き直って…