愛知県豊田市北部の駒山の頂(いただき、標高855メートル)付近に、廃虚のまま残る小馬寺(こまでら)。ここを巡る見学会が10月27日に開かれる。「幻の山岳寺院」と言われるその歴史を改めて知ってもらいたいと地元住民が企画。参加者を募っている。
市史などによると、小馬寺は白鳳時代(7世紀)の創建で、中世には700~800人の修行僧がいたと伝わる。1971年の矢作ダム完成に伴い、寺を世話していた集落の大半が水没。住職も離れ、廃寺となり、忘れ去られた状態になっていた。
本堂は平成に入って倒壊したものの、庫裏(くり)は荒れた状態ながら残っている。江戸末期から明治初めに建てられたとされる高さ約15メートル、ケヤキ造り4層式2階建ての山門も残る。周囲には石垣や石階段、幹まわり約19メートルの巨木があり、江戸以前の茶わんやつぼのかけらが転がっているのを見ることができる。
ここ数年は、ふもとの豊田市富…