山梨県笛吹市がラーメンとほうとうを合わせた「ラーほー」を地元の新名物として売り出している。当初は提供店が市内の12店だったが、今では19店に増えた。上々の滑り出しに、市の関係者も「新名物として定着させたい」と張り切っている。
訪れた観光客に「何を食べたらいいですか」と聞かれるたびに、市の関係者は答えに困っていた。県内の各地には名物として、ほうとう、鳥もつ煮、吉田うどんなどがあるが、市内にはない。「桃、ぶどうは誇れるんですが、主食ではないし、年間を通じて食べられるものでもない」と市観光商工課の竜沢真弓さん。
そこで昨年から、新名物を開発するプロジェクトがスタートした。市と飲食店組合、料理研究家が協力。「郷土食ほうとうをラーメンのように気軽な感覚で食べてもらおう」というコンセプトで、21のメニューを試作した。カルボナーラやラザニア、海鮮焼きそばなどをつくり、投票で絞り込んでいった。3回目の試食会で残ったのが、「ラーほー」だった。
市は7月、しょうゆ味とベトナム料理風のフォー風味を発表した。家庭でも調理できるようにと、レシピも公開した。
提供店はその時の12から現在は19へと増えた。中華料理店だけでなく、居酒屋、ホテル、健康ランドなどで食べることができる。県産のほうとうの麺を使うことだけが条件で、みそ味など様々なラーほーが生まれているという。値段は700~800円前後が多い。
16番目の提供店となった春日居町のラーメン店「めんや なないろ」のラーほーを食べてみた。普通のしょうゆ味の中華そばとチャーシュー、メンマなどの具材は一緒。スープも同じで麺だけを替えているという。本来のほうとう麺はゆでる時間が長いが、ゆで時間が3分の麺を製麺所に注文している。きしめんのような食感で食べやすい。550円と値段もお手頃だ。
店主の小山剛さん(33)によ…