英国の欧州連合(EU)からの離脱をめぐり、英国とEUが条件面で合意できなかった場合、トヨタ自動車が英国工場の生産を停止する可能性が出てきた。物流が止まり、EUとの間で部品の調達ができなくなるためだ。
トヨタは英中部のバーナストン工場で昨年、ステーションワゴン「アベンシス」などを14万4千台生産した。工場は部品の多くをEUから調達し、部品在庫は4時間分しか持たない。完成車の大半もEU向けに輸出し、EUとのつながりが深い。
英国がEUから離脱するのは来年3月。合意なしの離脱となった場合について、トヨタ幹部は「工場を止めざるを得なければそうする。注視したい」と話す。具体的に想定している休止期間は明らかにしていない。
一方、ほかの自動車メーカーでは、ドイツのBMWがグループの小型車「ミニ」をつくる英国工場での生産を来年4月から約1カ月、止めることを決めている。同様の動きが今後、他社に広がる可能性もある。
トヨタは1992年にバーナストン工場での生産を始め、昨年3月には追加投資も発表していた。