国家的イベントの開催を支えるのに、どれほどの費用がかかるのか。4日に発表された会計検査院の調査結果などを合わせてみると、2年後の東京五輪・パラリンピックの関連経費は3兆円規模になる。ただ、大会組織委が公表するのはその半分程度。「総額」の出し方の違いには、主催者の苦悩も見え隠れする。
東京オリンピック2020
「道路輸送インフラの整備1389億円」、「競技力の向上456億円」、「大会運営に係るセキュリティーの確保69億円」――。会計検査院が各省庁に、東京五輪・パラリンピックに関連した事業項目の提出を求めたところ、その数は286に上った。
「世界一コンパクトな五輪に」。そんな理念を掲げて招致を実現した東京大会。招致前の2013年1月に国際オリンピック委員会(IOC)に提出された立候補ファイルでは、大会経費は8299億円と試算されていた。それが16年12月には約1兆5千億円と倍近くに膨らんだ。17年12月時点では1兆3500億円となっている。
このうち国負担分は約1500億円。検査院の今回の調査結果は、既にこの約5倍もの国費が五輪関係で支出されていたことを示している。検査院は、国家的な事業の全体的な経費について「透明化」を求める必要がある、と強調。大会推進本部事務局には「国民に周知し、理解を求めるため、行政経費によるものも含めて整理し、全体像を対外的に示すこと」を求めた。
一方、大会運営にかかわる政府…