東京と千葉県の成田空港などを結ぶ京成線は5日、朝から運転を見合わせる状態が全線で続いた。送電トラブルが原因で、帰宅ラッシュにも大きな影響が出た。同日午後7時50分ごろから一部区間を除いて運転を順次再開し、6日は始発から全線で通常通り運転する見通しだという。
京成電鉄によると、5日午前7時43分ごろ、千葉市中央区の西登戸駅で、停車中の電車に送電トラブルが起きた。その後、同駅や東中山駅(同県船橋市)など3カ所の架線で火花が確認され、全線で運転見合わせとなった。
同社は、台風24号による強風で、海水の塩分が電気設備に付着したことによる「塩害」が原因となった可能性もあるとみて調べている。
成田空港のターミナルビルに直結する成田空港駅では、京成の職員が拡声機をつかって「一日中、運転を再開しないことも考えられます」などと、JRの利用を呼びかけていた。外国人らが職員に確認する姿も見られた。JR津田沼駅前のバス停には京成線の代行輸送のバスを待つ客らの長い列ができた。
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5日夜は首都圏のJR各線でも運転の見合わせが相次いだ。京浜東北線は、東京都大田区内の沿線火災の影響で一時全線で運転を中止。並走する東海道線と合わせ、計4本が線路上で立ち往生し、乗客が線路に降ろされるケースもあった。中央・総武線と中央線、武蔵野線でも一部の列車が運転を見合わせた。