米グーグルは8日、同社のソーシャルネットワーク「Google+(グーグルプラス)」上でソフトに欠陥があり、約50万人分の個人情報が流出したおそれがあると公表した。こうした事態を受け、グーグルは、消費者向けのグーグルプラスを来年8月末で閉鎖することも打ち出した。
グーグルは8日の発表で「消費者の期待に応えるグーグルプラスを作り、維持するのは、課題が大きい」として、「消費者向けのグーグルプラスを閉鎖する」と発表した。企業向けのサービスは残すという。
グーグルによると、欠陥が分かったのは今年3月。利用者が公開していない名前や電子メールのアドレス、職業、性別、年齢といった個人情報が、外部のソフト開発者から見られるおそれがあったという。
グーグルは、個人情報流出のおそれが分かった3月の時点ですぐにソフトの欠陥を修復した、と説明。「悪用された形跡がない」などとして公表しなかったとしている。
ただ、米国内では、グーグルの「情報隠し」に厳しい批判が出ており、米メディアは公表しなかった経緯を詳しく報じている。
米ウォールストリート・ジャーナルは8日朝、「グーグルは大量の個人情報流出を今春分かっていたにもかかわらず、米議会などからの批判を恐れ、公表しないことを選んだ」と報道。米経済専門テレビCNBCは「問題自体より、情報隠しをおこなったことのほうが重大だ」という専門家のコメントを紹介した。
「グーグルプラス」は、交流サイト大手「フェイスブック」に対抗するため、グーグルが2011年に開始した。同社はグーグルプラスの利用者数を公表していないものの、22億人の利用者がいるフェイスブックに大きく水をあけられているとみられていた。(サンフランシスコ=尾形聡彦)