岐阜市内で豚コレラが発生した問題で、岐阜県は10日、県庁で対策本部の会議を開き、発生した養豚場から半径3キロ圏の移動制限を10日午前0時で解除したことを報告した。一方で、野生イノシシへの感染確認が続いていることを受け、調査捕獲の継続や養豚場へのワイヤメッシュ柵の設置など新たな対策も打ち出した。
県によると、発生農場から半径3キロ圏については、防疫措置完了から28日が過ぎたことから、移動制限を解除した。一方、イノシシについては9日までに、死亡、捕獲した133頭のうち19頭で感染が確認されているという。
調査捕獲は11~31日、感染したイノシシが集中している岐阜市の椿洞、大洞地域のほか、周辺14市町で続ける。10月中旬からは、イノシシの拡散を防ぐための防護柵の設置などを始めるほか、生息密度の調査も実施する。
養豚場では、電気柵の内側にさらにワイヤメッシュの柵を設置する場合に、県が2分の1を補助する。発生農場や陽性イノシシの発見場所などから半径10キロ圏内にある17農場で、新たにウイルス侵入防止対策の確認検査をするなど、監視態勢も強化する。新たに養豚場で陽性の豚が見つかった場合に備え、施設ごとに防疫措置に必要な人員や人の動き、埋却場所や搬出方法なども事前にまとめた。
本部長の古田肇知事は「発生農場に由来する部分はひとまず終了したが、イノシシ対策はまだ終息が見えない。引き続きウイルスの拡散阻止に万全を期してほしい」と指示した。(板倉吉延)