内閣府と文部科学省が7~8月に行った就職活動に関する調査で、経団連の指針で定める面接の解禁日を守っていない企業が62・4%に上った。前年の調査より3・1ポイント増えており、ルールの形骸化が進む実態が浮き彫りになった。
どうなる就活? 新ルール政府主導、学生の評価割れる
全国の企業約1千社と、大学生・大学院生計約1万人から回答を得た。
経団連の指針では、会社説明会は大学3年生の3月、面接は4年生の6月以降に始めるよう加盟企業に求めている。政府はほかの経済団体にも同様の対応を求めているが、いずれも強制力はない。
指針を守っていない理由(複数回答)では「他社より早く学生に接触するため」が56・5%で最多だった。従業員300人以上の企業では指針を守っていない企業の割合が58・1%だったが、300人未満の企業では66・3%に上っていた。
学生の就職活動の長期化も進んでいる。今の指針が適用された2016年当時と比べ、「3カ月以内程度」で就活を終えた学生の割合は9・1ポイント減の37・2%だったのに対し、「9カ月程度以上」は6・5ポイント増の13・5%となった。
経団連は指針の廃止を決定しており、今の2年生以降は政府が主体となって作る見込みの新ルールの対象になる。ルールの変更は混乱が予想されることから、政府は現行ルールの維持を決める方針だ。だが、経団連がルールを作らなくなることで早期化や長期化が一層進む可能性もある。(森田岳穂)