鶴舞う形の群馬県。上毛かるたに歌われるその形を、高崎市の小さな企業が食器皿に商品化した。県土の大半を占める森林を意識し、陶器の表面をあえてゴツゴツした仕上がりに。「群馬愛」を前面に出したこだわりの製品が県内外で活用され始めている。
開発したのは、同市上並榎町の食器卸売会社「三美堂」の4代目、吉村聡さん(32)。同社は1957年、吉村さんの祖父が食器メーカーとして創業し、一時は全国規模で展開していた。だが、現在は規模を縮小し、社員は4人。飲食店や旅館向けに食器の卸売業を営んでいる。
吉村さんは大学卒業後、医薬品会社の営業を経て、3年前家業に戻った。目の当たりにしたのは、食器業界の厳しい現状だった。外国産の安価な食器があふれ、「和食器の可能性を見いだしたい」と考えた。
そこで目を付けたのが、生まれ…