スパイ映画「007」シリーズのジェームズ・ボンド役の後継は、英国籍の黒人俳優が一番人気――。調査会社ユーガブの調査で、ボンド役には、人種的背景よりも、英国籍であることや男性であることを重視する英国人の好みが明らかになった。
007シリーズは英国の情報機関・対外情報部(MI6)に所属するボンドが主役で、1962年から続く。現ボンド役のダニエル・クレイグさんは来年公開予定の新作を最後に引退する意向で、後継が誰になるか臆測が飛び交っている。
調査は、1677人の英国成人を対象に9月に聞き、回答者の28%がアフリカ系の英俳優イドリス・エルバさんを選んだ。エルバさんは南アフリカ共和国の故ネルソン・マンデラ元大統領の自伝映画の主演などで知られる。
そのほか「レヴェナント 蘇(よみが)えりし者」で米アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされたトム・ハーディさんが11%、アメコミ映画「アベンジャーズ」などで知られるトム・ヒドルストンさんが5%で続いた。いずれも英白人俳優だ。
ボンドがアフリカ系など白人以外の人種的少数派になることを「受け入れられる」という回答は58%にのぼり、同性愛者も47%が許容した。一方で、女性は36%、英国人以外は35%にとどまった。
歴代ボンド役の中でお気に入りを尋ねたころ、初代のショーン・コネリーさんが回答者の27%の支持を得て首位に。現役のクレイグさん、3代目の故ロジャー・ムーアさんが続いた。(ロンドン=下司佳代子)