奈良市の興福寺で17日、年に1度の法要「大般若経転読会(だいはんにゃきょうてんどくえ)」にあわせ、境内の南円堂(なんえんどう)が特別開扉された。堂内には、鎌倉時代の著名な仏師運慶(うんけい)の父、康慶(こうけい)が作ったとされる国宝の本尊が安置されてきたが、今回からは同じく康慶の作とされる国重要文化財の四天王像4点と国宝の六祖像6点も加わった。特別開扉は17日に限られる。
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国宝は、南円堂の本尊・不空羂索観音坐像(ふくうけんさくかんのんざぞう)と、法相宗(ほっそうしゅう)の高僧6人を表した法相六祖像。重文の四天王像も近く国宝へと格上げされる見通しだ。いずれも1189年ごろに作られたとされる。
康慶の四天王像は寺の仮講堂に長く安置されてきたが、近年の研究で南円堂にあったものと判明。国宝館などにあった六祖像とともに昨年末に南円堂に移された。
来年は10月17日から11月10日まで、北円堂とあわせて特別公開される予定。(宮崎亮)