非行に走る娘と、父親との葛藤を描き、ベストセラーとなった「積木(つみき)くずし」の著者で、俳優の穂積隆信(ほづみ・たかのぶ、本名鈴木隆信〈すずき・たかのぶ〉)さんが19日、胆囊(たんのう)がんのため死去した。87歳だった。
静岡県出身。53年に俳優座養成所を卒業後、映画デビュー。82年に発表した「積木くずし」は、穂積さんが、非行に走る娘の由香里さん(03年に死去)と向き合い、立ち直らせるまでの親と娘の葛藤を描いた実話で、約300万部のベストセラーになった。翌年にはTBS系で連続ドラマ化され、最終回の視聴率は45・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、話題となった。
また70年代から声優として、映画の吹き替えなどでも活躍。映画「真夜中のカーボーイ」のダスティン・ホフマン演じるラッツォ役や、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のクリストファー・ロイド演じるドク役などを担当した。