家電メーカーが主役だった先端技術の見本市「シーテック」に、銀行の出展が目立つ。高速決済や人工知能(AI)を用いた新サービスなど、ITと金融を融合させた「フィンテック」の技を、3メガバンクのグループが競う。
千葉市にある会場の中央に出展したのは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)だ。仮想通貨に用いられる「ブロックチェーン技術」を使い、決済のデータ処理が高速でできるシステムを紹介している。
電気スタンドに、スマートフォンから遠隔操作でスイッチを入れる。経過時間がスマホ画面に秒単位で表示され、料金が増えていく。10秒でスイッチを切ると、スマホに10銭の支払額が表示され、決済を完了した。電気スタンドはあくまで一例だが、こうした時間ごとなどの小口決済ができれば、カーシェアやレンタル家電で新たなサービスが可能になると見込む。
処理能力は1秒間に100万件で既存技術より格段に速く、コストも抑えられる。「既存の決済システムに取って代わる可能性を秘める」とMUFG幹部は話す。
銀行が手がけてきた決済サービスには、IT大手が次々と参入。業種を超えた競争が始まり、銀行も技術を磨く必要がある。低金利や人口減少で収益が先細りになる中でコストを抑えるためにも、ITの活用は「待ったなし」だ。
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